イベントに参加したお客様が文章を寄せてくださいました。ご本人の許可を得て掲載します。
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イベントに参加して
出店件数165店舗。全体的に水晶を主力とした展示会で、ジュエリーが主である。
一般市価より30%〜40%安い値段で販売されていました。
紹介されたブースで水晶の事について話してみましたが、ジュエリーとしての扱い。工業用電子扱いで話しても隔たりが大きくすれ違う事が大きかった。
水晶から私達は何を思い浮かべるだろうか。透明な美しい形の水晶の結晶?岩から生え上がった小さな水晶の結晶群?それとも水晶の球体?はんこの材料?水晶の産地として古くから知られている山梨県甲府の土産物屋には、透明な水晶・紫水晶(アメジスト)・紅石英・加工品の珠香炉・仏像等が所狭しと並べられています。
水晶はダイヤモンド・ルビー・サファイヤなどの様な宝石として価値は無いと思いますが、本日展示販売されている主なもの約60%以上が水晶であるように思われる。また形の良さ、美しさ、透明性の良さ、なんとも言えない品の良さがある。古代ギリシャ人は透明な水晶を氷であると信じ、冷たい水を入れる容器の材料に好んで使用した。ギリシャやローマの遺跡からはカップ・水差し・汲み用のひしゃくなど数多くの水晶精器が出土した。日本では縄文時代の集落跡から水晶製の器が、弥生中期の地層からは水晶の玉をつくる工房跡が発見されている。
その後、水晶に対しての関心は科学的な研究へと移っていく。19世紀多くの研究の積み重ねはヨーロッパに近代科学の幕開けをもたらす。水晶に圧電効果が発見され水晶振動子の出現となった。それまで工芸用材料であった水晶は工業用材料として大きな転換期を迎えた。初期の水晶振動子は軍需用の無線通信分野でつかわれ、現在ではテレビ・ラジオ・コンピューターから玩具に至るまで、水晶振動子はあらゆるところで活躍している。最近の携帯電話の爆発的な需要も水晶などでは起こりえなかっただろうと思われる。私が水晶の原石を選別始めたのは、昭和30年代後半、東京オリンピックの頃、年に数回ブラジルから3トン前後の100/200gを入荷し形状別・R面の大きい物・r面の大きい物など数種類に分別する作業を行ったことがある。
イ) R面の大きな物 ワイヤー物、特にDTカット等(51°34’ X線の読み×1°50’)100Kc
ロ) r面の大きい物 メタル物、特にATカット(35°20’×線の読2°53’ 35°15’×線の読2° 58’)1Mc〜2Mc
ハ) その他 BTカット CTカット GTカット Xカット Zカット Yカット+1° 10カット
他にも水晶振動子用としての水晶、右水晶、左水晶があり、現在人工水晶では右水晶が主なものである。右水晶とはR面の右下にS面・X面がある物、左水晶とはR面の左下にS面X面がある物に分別される。
X線測定についてX線はカッパーを使用する「ノレルコ製東芝製」
+x面 -x面についてはx面を含めそのままエッチングを行い、乾燥したものをピンホールでx面を見ると
以上のような話を現在しても、ジュエリー関係の人には略通じ無く、電子部品の関係の人にも人工水晶の加工が進んでいる事、x線についても自動化が進んでいる為このような事を目にすることは無くなっています。
※ 写真はお客様所持のものです。